2025年1月18日
山に入り2日目。今日は順応登山で、ラグーナ・ヴェルデの裏手にあるムラス・ムエルタスという山(Mulas Muertas 5,921m)の5,350m地点まで、1,000mほど登ります。今回のツアーが始まって最初の登山です。
ベースキャンプを出発すると、まず目の前の急な坂を登って道路を横切り、そこから山に登っていきます。初日らしく傾斜は緩やかで、ガイドもゆっくり歩くので、ペルーで順応して来た私にはとても楽に感じました。
ベースキャンプから歩き始め、正面の急な坂を登る
コピアポから走ってきた道路を横切り、その先の登山道を歩く
道路とラグーナ・ヴェルデ
登山道は緩やかでとても歩きやすい
2回目の休憩
振り返るとラグーナ・ヴェルデと道路が見える
稜線に出ると風がとても強かった
休憩をしながら5時間ほど歩いたところで、この日の目標である5,350m地点に到達しました。後ろを振り返るとラグーナ・ヴェルデが見えます。体力的には難なく歩き続けられますが、稜線は風が強く、2日後には6,000mの山に行くので、ここで30分ほど順応のために滞在し、皆でベースキャンプに下ります。
この日の目標地点に到達
1,000mも登ったとは思えない
気圧の関係か高度計は低い標高を指している
ラグーナ・ヴェルデを見ながら下る
ベースキャンプ手前の急な坂
キャンプに戻ると、ガイドのクリスティアンから、今後の行程について説明がありました。まず明日は一日休息を挟み、次の日にサン・フランシスコという山(San Francisco 6,018m)へ高度順応で登ります。ここまでは通常の行程と一緒です。
従来はその後オホス・デル・サラードに入り、C1のアタカマキャンプ(Atacama Camp 5,250m)、C2のテホス小屋(Tejos Refuge 5,800m)と標高を上げ、山頂を目指すのが一般的でした。前回の挑戦でもそのような流れでした。
しかし、今回は全行程でラグーナ・ヴェルデに滞在し、C1やC2には宿泊せず、代わりに車でC2まで行き、事前に高度順応で6,300m地点まで登ったうえで、一旦ラグーナ・ヴェルデに戻り、登頂日に再び車でC2まで行くというプランです。
これにより、寝苦しい高所で宿泊せず、体調管理に専念できます。私はアコンカグアのC3(6,000m)でも熟睡できましたが、メンバー全員が万全の状態で挑むことが肝心です。誰かが途中で下山すればガイドも付き添い、また一人、また一人と下山し、残るガイドがいなくなった時点で一蓮托生の憂き目に遭います。
何より、ラグーナ・ヴェルデは暖かく圧倒的に快適で、テントは張ったままでよく、シリオの料理もあり、インターネットも使えます。高所で一度も宿泊しないことは、高度順応の面で不安でしたが、クリスティアンのプランを信じてみようと思いました。
2025年1月19日
翌3日目は休養日で、終日ベースキャンプのラグーナ・ヴェルデに滞在です。ここは4,300mとはいえ、日中はとても日差しが強く、Tシャツでも過ごせるほどです。湖で洗った下着もあっという間に乾きます。自分のテントは温室のように暑いので、ダイニングテントで、ストレッチをしたり、ハーブティーを飲んだりして寛ぎました。
洗い物も一瞬で乾く
ここで新しく、フィンランド人の男女2人組がテントに入ってきました。途中参加のメンバーかと思いきや、独自のプログラムで参加していて、この日はバランカス・ブランカスという近くの山(Barrancas Blancas 6,119m)に登ってきたそうです。女性はロッタ・ヒンツァという登山家で、後から調べるとモデルとしても活動しており、有名な方だったようです。
夕食の時間になると、料理人のシリオがツナ缶のセビーチェを運んできました。つい数日前にペルー料理を知り、コピアポでもレストランに入り、まさか山の中でもセビーチェが出るとは!シリオはペルーの出身で、料理人でありながら、昨年はペルー最高峰のワスカラン(Huascaran 6,768m)にも登頂したそうです。ワスカランは難易度が高く事故も多発する山で、登頂することは大いなる名誉です。
ツナ缶のセビーチェ
かぼちゃのスープ